朝、子どもがぽつりと「学校、行きたくない」とつぶやいたとき。
その言葉に、どう反応したらいいのか分からず戸惑ったことはありませんか?
熱もないし、昨日までは普通に行っていたのに。
「どうして?」と理由を聞いても、子どもは何も答えてくれない。
そんな時、親としてできること、してはいけないこと――
今日は、少しだけ一緒に考えてみませんか?
子どもが「行きたくない」と感じる理由はさまざま
子どもが学校を「行きたくない」と思う背景には、さまざまな理由が隠れていることがあります。
- 友達とのトラブル(からかわれた、仲間外れなど)
- 先生との関係(叱られた、不安を感じるなど)
- 勉強についていけないという焦り
- 生活リズムの乱れや疲れ
- 特に理由が言葉にできない「なんとなくイヤ」
特に低学年のうちは、自分の気持ちをうまく言葉にできない子も多く、「言えない」のではなく「言葉にできない」ということも。
「お腹が痛い」の裏にあった気持ち
わが家の長男が「学校に行きたくない」と言い出したのは、2年生の春のこと。
最初は「お腹が痛い」とだけ言って、朝ごはんも食べずにぐったりしている日が何日か続きました。
小児科でも異常は見つからず、「もしかして…心のSOS?」と気づいたのは、担任の先生から「最近、休み時間に一人でいることが多いようです」と言われたときでした。
帰ってきてからも、ポツリポツリとしか話してくれなかったけど、毎日寝る前に「今日もがんばったね。ママはあなたの味方だよ」と言い続けたら、少しずつ表情が戻ってきました。
今は無理せず、時々お休みしながらも、自分のペースで通えるようになっています。
「なんで行きたくないの?」と聞かないようにしたら…
「学校行きたくない」って言葉、最初は本当に戸惑いました。
「なんで?」ってつい聞いちゃうけど、子どもは「わからない」って言うばかり。
それがまたイライラの原因になってしまって、悪循環に…。
でもある日、思い切って理由を聞くのをやめて、ただ隣に座って一緒にテレビを見てたら、ポツンと「今日さ、○○くんに嫌なこと言われたんだよね…」ってぽろっと本音が出てきたんです。
「あぁ、こういう風に安心できる空気があれば、子どもは自分で話せるんだな」って、そのときすごく思いました。
それ以来、無理に聞き出すのではなく、“話せるタイミングを待つ”スタイルに変えました。

親にできる5つのこと
1. 「話したくなるまで待つ」姿勢を持つ
「なんで?」「何かあったの?」と問い詰めたくなる気持ち、よくわかります。
でも、無理に理由を聞き出すよりも、「話したくなったら、いつでも言ってね」という余裕のある姿勢が、子どもには安心につながります。
2. 「行きたくない」気持ちを否定しない
「そんなこと言わないの」「みんな行ってるよ」などと否定すると、子どもは「分かってもらえない」と感じて、心を閉ざしてしまいます。
まずは「そっか、行きたくないんだね」と、気持ちをそのまま受け止めてあげることが大切です。
3. 一緒にお休みの時間を過ごす
無理に学校へ行かせようとせず、「今日はちょっとゆっくりしようか」と休む選択をするのもOKです。
親がそばにいてくれる時間は、子どもにとって“心のエネルギー補給”になります。
4. スキンシップや雑談で安心感を伝える
お風呂の時間や寝る前の何気ない会話の中で、少しずつ本音が出てくることもあります。
話すタイミングは、子どもがリラックスしている時にそっと。
5. 学校や専門機関と連携する
担任の先生やスクールカウンセラーに相談するのも選択肢のひとつです。
「親として頑張らなきゃ」と思いすぎず、周りに助けを求めてOK。
してはいけない対応(NG例)
子どもの気持ちを追い詰めてしまう言動は、避けたいところです。
×「甘えないで!」「そんなことで休まないの!」
→ 気持ちを否定されると、子どもは「わかってもらえない」とさらに不安になります。
×「行かないならゲームもなし」「ずっと家にいさせないよ」
→ 脅しや条件で動かそうとすると、根本の不安が消えず、親への信頼も揺らぎます。
×「ママだって仕事があるのに!」と感情的にぶつける
→ 親の事情をぶつけられても、子どもには理解しきれません。
お互いがつらくなってしまいます。
「行けない」には意味がある
子どもが「学校に行きたくない」と言うと、親も焦ってしまいますよね。
でも、「行けない」というサインは、子どもからの大切なSOS。
「学校に行くこと」だけが正解じゃない。
その子のペースで、心が元気になる時間を過ごすことも、立派な“前に進む”ことです。
まとめ
親にとっても、こういう時期は本当に心配だし、しんどいものです。
「どうしたらいいんだろう」と迷うのは、子どもを大切に思っている証拠。
必要なら、学校や支援センター、信頼できる人に話してみてください。
そして、がんばっている自分自身にも、どうかやさしくしてあげてくださいね。