2歳前後といえば、いわゆる「イヤイヤ期」まっただ中。
何を言っても「イヤ!」「やだ!」と返ってきて、こちらの心が折れそうになる日もありますよね。
特に、子どもが“困った行動”をしたとき――
- お友だちのおもちゃを取ってしまう
- 叩く、投げる、かみつく
- スーパーで寝転んで大暴れ!
「やめて!」「こらっ!」と怒っても、全然通じない…と感じたこと、ありませんか?
でも実は、2歳児なりの理由と気持ちがちゃんとあるのです。
今回は、2歳児が悪いことをしたときの伝え方・関わり方を、私の体験を交えてご紹介します。
お友だちを叩いた娘
2歳半の娘が、支援センターで出会ったお友だちに突然「バンッ!」と手を出してしまったときのこと。おもちゃの取り合いだったようで、相手の子が泣き出してしまいました。
私は思わず「こらっ!叩いちゃダメでしょ!」と声を荒げてしまい、娘は「イヤ!」と叫んで、今度は私の腕を叩きました。
まさに負の連鎖…!
でも、一度深呼吸して娘の目線にしゃがみ、静かな声でこう言いました。
「これ、いっしょに使いたかったのかな?でも叩かれると、すごく痛いし悲しい気持ちになるよ。」
すると、娘は目に涙をためながらも、おもちゃを手から離し、「ごめんね…」と小さな声で言いました。

2歳児の“悪いこと”は、まだ言葉の代わり
2歳児は、まだ気持ちをうまく言葉で伝える力が未発達です。だから、イヤなとき、悔しいとき、思い通りにいかないとき、「叩く」「奪う」といった行動で感情を表現してしまうのです。
つまり、悪気があるわけではないんですよね。
その行動をただ「ダメ!」と止めるだけではなく、
- どんな気持ちだったのか
- どうすればよかったのか
を、ゆっくり一緒に整理していくことがとても大切です。
2歳児に届く叱り方・伝え方のポイント
1. 短く、はっきり、やさしく伝える
2歳は長い説明はまだ難しい年齢です。言葉はシンプルに。
◎「叩いたらダメ。痛いよ。」
◎「おもちゃ、貸してって言おうね。」
2. 気持ちを代弁してあげる
言葉で表せない子どもの気持ちを、親が“通訳”してあげることで落ち着くことがあります。
◎「取られてイヤだったんだよね。」
◎「もっと遊びたかったんだね。」
3. 落ち着いてから話す
感情が爆発している最中に注意しても、ほとんど伝わりません。まずは子どもが落ち着くのを待って、ギュッと抱きしめてあげてから、少しずつ話すのが◎。
4. 代わりの行動を教える
「ダメ」だけでなく、「こうしたらよかったね」という提案があると、次につながります。
◎「『かして』って言おうね。」
◎「イヤなときは“やめて”って言おうね。」
叱るときも、愛情はしっかり伝える
叱るときって、どうしても怖い顔になってしまいがち。でも、2歳児はママ・パパの表情や声のトーンにとても敏感です。
叱ったあとに「〇〇ちゃんが大好きだから言ってるんだよ」と抱きしめてあげることで、安心感が生まれます。
子どもが「叱られた=嫌われた」と感じないようにすることが、とても大切です。
2歳は“伝える力”を育てる時期
2歳児の「困った行動」は、まだ心の中が未完成だからこそ生まれる自然な反応。でも、そこに寄り添い、伝え方を少し変えるだけで、子どもの心はぐんと育っていきます。
「叱る」は「伝える」
「しつける」は「一緒に育つこと」
日々、うまくいかないこともたくさんありますが、子どもも親も、失敗しながら一緒に成長していけたらいいですね。