「みんなと一緒」がつらい子どもへ——不安が強くて集団が苦手なわが子と歩む日々

幼児期の悩み(2〜6歳頃)
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「さあ、みんなで輪になって座ろう!」
先生の明るい声が響く中、我が子はその輪の外で固まっている。

小さな手はギュッと私の服を握りしめていて、まるで心の不安がそのままにじみ出ているよう。
その姿を見て、胸がぎゅっと締めつけられるのは、きっと私だけではないはずです。

この記事では、「みんなと一緒」がどうしても難しいお子さんを育てている方に向けて、共感とあたたかい視点を込めてお届けします。
子どもの特性に悩み、焦る気持ちを抱える毎日。でも、その中に確かにある、わが子の頑張りと成長を見つめていきましょう。

「入れない」じゃない、「入れないほど不安」な気持ち

集団行動にうまく入れない子を見ていると、「どうして入っていけないの?」「みんな楽しそうにしてるのに」と思ってしまうことがありますよね。
でも、本人の中では“入りたくない”のではなく、“入りたいけど怖い”という気持ちが渦巻いていることが多いのです。

ある園の先生がこう話してくれました。

「実は、集団の中に入れない子の多くが、じっと周りを観察しているんです。
タイミングを見ているけど、一歩が踏み出せないだけなんですよ」

我が子もそうでした。
始まりの会でみんなが歌を歌い始めると、遠くからじーっと見ている。
でも決してふざけているわけでも、興味がないわけでもない。
ただ、心の準備が必要だったのです。

落ち込みママ
落ち込みママ

うちの子だけ輪に入れてない…

—帰り道、他のママと比べて落ち込んでしまった日のひとりごと

でも、焦らないでください。
“輪に入ること”がゴールではありません。
大切なのは、“自分の気持ちに気づけているか”、“安心できる場所があるか”という土台です。
その土台がしっかりしてくれば、子どもは必ず少しずつ動き出します。

無理に慣れさせようとするほど、逆効果になることも

「何回も経験すれば慣れるはず」と、無理に集団の中に入れようとした経験はありませんか?
私もそうでした。
でも、子どもにとってそれは“自分を守る場”を奪われることになってしまうことがあります。

たとえば、ある日のお遊戯会。
最初は客席の親の隣に座っていたわが子。
先生から「大丈夫、大丈夫」と背中を押され、無理に前に出されて、泣きながら立ち尽くしてしまったのです。

その後、数日間、保育園に行くことすら嫌がるようになってしまいました。

それを機に私は「無理にやらせるのは違う」と気づきました。
必要なのは、“慣れさせる”ことではなく、“安心できる選択肢”を作ってあげることだったのです。

・最初は見学でもOK
・一緒に手をつないで少しだけ近づいてみる
・本人が「やってみようかな」と言ったら大きく褒める

「できること」ではなく、「やろうとしている気持ち」を認める。
その積み重ねが、やがて大きな一歩につながっていきます。

「みんなと同じ」より、「その子らしく」でいい

今の社会はどうしても「みんなと一緒」に進むことが求められる場面が多いですよね。
運動会も、合唱も、遠足も、「みんな一斉に」が基本。

でも、よく考えてみてください。
私たち大人だって、静かなカフェが好きな人もいれば、にぎやかな居酒屋が落ち着く人もいますよね。

子どもだって同じです。
集団が好きな子もいれば、1人でじっくり遊ぶのが心地よい子もいる。
そのどちらも“その子らしさ”です。

悩みママ
悩みママ

集団に入れないのは問題なのかな…?

先生
先生

その子なりの関わり方があるんですよ。今はそれを大切にしましょう

—ふと不安に思って先生に相談してみたときの言葉

この言葉に私は救われました。
無理に“普通”を目指さなくていい。
子どものペースで、関わり方を育んでいけばいいんだと。

「みんなと一緒にやらない」ことが“遅れ”ではなく、“その子らしさ”の表現だと思えると、親の心も少し軽くなっていきます。

一人で抱え込まないで。親だって立ち止まっていい

日々の育児に、他の子との違いに、焦りや心配が膨らんでしまうこともありますよね。
でも、どうか忘れないでください。

あなたの子育ては、決して間違っていません。
誰かと違う道を歩んでいるからこそ、見えてくる景色があるのです。

子どもが不安で動けないとき、親がそっと寄り添うことで、
「自分はこのままでいい」と感じられる土台が育ちます。

そしてそれは、何よりも尊く、大切なことです。

困ったときは、先生や支援の専門家に話してみましょう。
同じような悩みを抱える親御さんとつながってみましょう。
あなたのその想いを、誰かと共有するだけでも、心は少し楽になります。

まとめ:輪に入れなくても、その子はちゃんと育っている

「みんなと一緒」に入れなくても、大丈夫。
それは決して“劣っている”ことではありません。
不安を感じながらも、毎日少しずつ、世界と向き合おうとしている小さな背中。

それを一番近くで見て、理解してあげられるのは、やっぱり親であるあなたです。

子どもが自分のペースで歩めるように、焦らず見守っていきましょう。
時には立ち止まり、時には寄り添いながら。

「大丈夫。あなたのその子育ては、ちゃんと実を結びます」

今日も頑張るあなたへ、心からのエールを送ります。

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