「片づけてって言ったよね?」「もう寝る時間だよ」「ご飯はちゃんと座って食べて」
――そんな声が今日もまた、少し怒り混じりに自分の口から飛び出していきます。
わが子は、やりたいことしかしない。
片づけも、お風呂も、ごはんも、「今じゃない」「あとで」「いや」ばかり。
忙しい日々の中で、どうしても「言うことを聞いてくれない」その姿にイライラが募り、「なんでこんなにわかってくれないの?」と責めたくなってしまう。
でも、そんなときにふと思うのです。
本当に責めたいのは、子ども…だけなのかな?
もしかしたら、思うようにいかない子育てに疲れた「自分」なのかもしれない、と。
この記事では、「やりたいことしかしない子」と向き合う中で感じる苛立ちや、自己嫌悪、どうしていいかわからない不安な気持ちに寄り添いながら、少しだけ心が軽くなる考え方を一緒に探していけたらと思います。
やらせたいのに、やらない。それだけで心が折れそうになる日
子どもに「こうしてほしい」と伝えても、その通りに動いてくれない日が続くと、親の心はどんどん摩耗していきます。
とくに忙しい朝や、疲れている夜は余裕がなくなり、「言うことを聞かせること」が目的になってしまいがちです。

どうして何回言ってもやらないの?

他の子はもっと素直に動くのに…
そんなふうに思ってしまうこと、ありませんか?
でも子どもは、大人とはまったく違うリズムで、違う優先順位で世界を見ています。
「今すぐ片づける」より「今遊びを終わらせたくない」が子どもにとっての真実。
もちろん、毎回それで済ませるわけにはいかないけれど、
「自分が悪いのかな」「育て方が間違ってるのかな」と悩みすぎなくても大丈夫。
子どもが自分の思いに素直であることは、「ワガママ」ではなく「自我の発達」のひとつ。
それを少しでも頭の片隅に置いておくだけで、責める気持ちは少し和らぐかもしれません。
「怒りたくないのに怒ってしまう」その罪悪感に押しつぶされそう
一度声を荒げてしまったあと、「あぁ、また怒っちゃった…」と落ち込むこと、何度あったでしょうか。
SNSでは優しい言葉をかけるママたちがキラキラして見えて、自分だけがうまくできていない気持ちになる。
でも、私たちの怒りの奥には、いつも「心配」があるんです。
「このままわがままな子に育ってしまうのではないか」
「社会で困るような子になってしまうのでは」
その不安が、私たちを焦らせ、強い言葉にさせてしまう。

優しく伝えたって聞かないし、怒るしかないじゃん…
そんな声が心の中で渦巻くことも。
でも、私たちは毎日、ちゃんと「向き合って」いる。
ただ突き放して放置しているわけじゃない。
怒っても、泣いても、それでもまた子どもの顔を見て、「大好きだよ」と思える。
それだけで十分、子どもにとっては「大事にされている証」なんです。

子どもは「やりたくない気持ち」も含めて、親にぶつけている
子どもが「やりたくない」と言うとき、それはわがままだけではなく、「今の気持ちをわかってほしい」というサインでもあります。
おとなしく聞き分ける子よりも、正直に気持ちをぶつけてくる子のほうが、実は信頼関係が強いことも多いといわれます。
親に甘えられるからこそ、「やりたくない」と言える。
子どもにとって親は、「どんな自分でも受け止めてくれる存在」でありたいと思っているんです。
とはいえ、毎回それを受け止めるのは本当に大変。
だからこそ、自分の心がしんどいときは「今は余裕ないな」と気づくだけでもOK。
自分を責めるのではなく、「私も人間」と認めることから、余裕は生まれていきます。
あなたが悪いわけじゃない。ひとりじゃないから、大丈夫。
子どもが言うことを聞かないとき、
親としての力を試されているような気持ちになることもありますよね。
でも、完璧な親なんていません。
今日も怒ってしまったあなたも、うまく言えずに泣いてしまったあなたも、
どんな日も、ちゃんと子どものために頑張っているんです。
育児って、結果がすぐに出るものじゃないからこそ、不安になる。
でも、いま見えないところで、ちゃんと愛情は伝わっている。
子どもはあなたの「言葉」ではなく、「毎日の関わり」で育っていきます。
疲れたときは、休んでいい。
誰かに頼ってもいい。
ときにはテレビやお菓子に頼っても、全然OK。
私たちはロボットじゃないから。
まとめ ~「言うことを聞かない」先にあるものを信じて~
子どもが言うことを聞かないとき、
それは「親を困らせたい」からではなく、
「自分をわかってほしい」という心の叫びでもあるのかもしれません。
もちろん、毎日受け止め続けるのは本当に大変。
でも、悩んだり、怒ったり、反省したりするあなたの姿を、
子どもはきっとちゃんと見ています。
「なんで言うこと聞けないの?」
そう思ってしまった自分を責めなくていい。
それだけ真剣に、子どもと向き合っている証です。
今日も頑張ったあなたへ。
どうか、自分のことも大切にしてください。
そして、どんなときも、あなたはひとりじゃないということを忘れないで。
一緒に、ゆっくり、歩いていきましょうね。